385 ぷち脱走

男子寮にいる「ぷち」という名の犬が脱走してしまったという話。

彼は、
午後の授業が無いのを良い事に、
脱走を企てた。
彼の綿密な計画により、
夕飯はキャンセルされ、
彼は12:58のバスに乗り、
学院を後にした。
彼の計画は順調だった。
青葉台で急行に乗り、
渋谷を通り越して、
中田重治をして「神の田んぼ、神の保つ町」と言わしめた町へ行き、
本八幡で腹を下した。。
京成線でうまい具合に特急を捕まえ、
船橋を通り過ぎ、
八千代台を横目に見ると、
視界は開け、
向こうまで続く水をはった水田に雨はしとしとと降り注ぎ、
成田山の脇を通り抜け、
降り立った地は、
日本国の玄関窓、成田空港第二ターミナル。
片道3時間、1,420円の行程なり。

彼は、
それほどまでに修行もとい授業が嫌だったのか？
それもなくはないが、
大きな理由は、
彼の友達が
今日、成田空港に降り立ったからであった。
「すばらしい船だ！ムスカくん！！」
ゴリアテを迎える閣下の心境である。
いや、違う。
そんな事を言ったら怒られる。

そもそも何ゆえこんな記事を書くに至ったか。
それは、彼の友達が、
「最近、ブログ更新してないね。」
と言ったからだ。
だから、とりとめもなく、
徒然なるままに、
こんな妄想話を膨らませたのだ。

彼の話の
どこまでが真実で、どこまでがフィクションであるのか、
それは読者の想像にお任せする。
一つ言えるのは、
人の口から出るモノは真実ばかりでないが、
神の口からは、真実が出るという事である。